社長ブログ -雑多な日々-
若い頃、ある会社に訪問した時の話です。
当時、わたしは営業マンで、けっこうバリバリでした。
一度も会ったこともない会社の責任者あてに
「ぜひお会いさせて頂けませんか」
と、心のこもった手紙を送り、
会うや否や感動的なプレゼンテーションを行い、
そして即決で決めたりしていました。
その会社の○○部長さんは、
私の手紙に感激しました。
朝礼でも、自分の部下に、
「世の中にはこんなに素晴らしい営業マンもいる」
と言って下さったそうです。
なぜ分かったかというと、
そのときは部下である営業マンからの
『内緒の紹介』だったので、 会う前にその情報が入っていました。
わたしは有頂天になり、
当然商品を買ってくれるものだと思いました。
しかし、答えはNO。
ご購入頂けませんでした。
その回答を聞いて、詳しくは覚えていませんが、
血気盛んな頃です。
買うことの正当性をまくし立てたり、
なんで買わないんですか、と
食ってかかったのかもしれません。
そのとき、○○部長は、
「早坂さん。営業をやっていて、
敵をつくってはいけないよ。
相手がその商品を買わなかったからと言って
いちいち敵をつくっていたら、 周りが敵だらけになってしまいますよ。」
と諭して下さいました。
わたしはハッと気づき、
自分の非礼をお詫びしました。
仕事は必ず相手がありますから、
思い通りにいかないことも数限りなくあります。
その度に、この言葉を思い出します。
数年後、その部長が亡くなった、と聞きました。
今のわたしの姿を、
ちょっとでも見てもらいたかったな。
いずれ、天国で会ったときに
なんと言って下さるのか、楽しみです。
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